クルミ科クルミ属で半環孔材の落葉広葉樹です。
一枚板として使われるウォールナットは産地によっても名前も風合いも多種多様で、一言でウォールナットとくくれないくらい表情は豊かです。
北米産ウォールナットの中で代表的なブラック・ウォールナットは真正のウォールナット種の一つで、主にアメリカ北東部に分布していて、アメリカンウォールナットと呼ばれることもあります。

その他にもクラロウォールナット・バストゥーンウォールナット・ヨーロピアンウォールナット…など多種にわたります。

＊優れた加工性と美しい杢を持つウォールナットは適度な硬さと粘りがあるため、蒸し曲げに対する適性が良く、造形を美しく仕上げる事ができる為、精度が重要視される細工の細かな椅子や楽器などに多く用いられてきました。
ウォールナットの人気の時代は長くヨーロッパの家具市場ではウォールナット材による製品が人気を独占し『ウォールナットの時代』と呼ばれました。
富の象徴として王族や貴族の間でも愛されたビクトリア調やロココ調家具も有名です。

＊ウォールナットの色味はいく筋もに折り重なる濃淡で変化したブラウンの中に混じって出る紫が美しく見るものを圧倒する高級感がありまた使っていくうちに起こる経年変化を楽しむために永く使い続けたい樹種でもあります。

＊樹高が２０メートル程までに成長するウォールナットの木質は重硬で衝撃に強く、強度と粘りを有し、狂いが少なく加工性や着色性も良いという特性から、アメリカ合衆国大統領の指揮台やアメリカ合衆国最高裁判所のベンチ、ライフルの銃床にも使用されます。
永い年月をかけて成長していく過程で、巻き付けられた番線や戦争などで打ち込まれた銃弾をも飲み込んだまま成長して、木材として加工した際にそれらが内部から現れることがあります。
アトリエ一本道でもクルミの実や銃弾が出てきて盛り上がった事がありました。（余談）

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